Ci-en

 

booth

痴漢電車

放課後、文化祭で使う道具や資材の発注のために都心に出た白薔薇姉妹。
帰りに、折り悪く帰宅ラッシュに巻き込まれてしまった。

ガタンゴトン…ガタンゴトン…
(わ、わー!)
乃梨子は混乱していた。
乗る時にもみくちゃにされて、志摩子さんと離れてお互いを見失ってしまって。
電車が動きだして落ちついてからやっと姿を見つけたものの…。

さすがあの美貌というべきだろうか。それとも志摩子さんの柔らかい、悪くいえば
気の弱そうな雰囲気が悪かったのだろうか。——などと冷静に分析している場合ではない。
彼女のお姉さまは、いきなり痴漢に遭っていた。

ドアに押しつけられるような位置に立っていたから、最初は、圧迫されて苦しいだけかと思った。
でも、よく見たら志摩子さんの後ろの中年男性が彼女のお尻に手を回していたのだった。

(わたしの志摩子さんになんてことを…!!)
さすがの乃梨子もパニック状態で思考がおかしくなっている。
なんとか近くに行きたいけれど、人口密度が高すぎて思うままに移動できない。

志摩子さんは目を瞑り、眉根を不快そうにキュっと寄せながらも耐えている。
そうした彼女の態度を見て調子にのった痴漢は今度は胸にまで手をまわす。
他の人からは見えないのだろうが、乃梨子からは志摩子さんの胸が
男の左手に下からもみしだかれているのが見えた。志摩子さんはちょっと体をふるわせ、
羞恥のためか自分の体がより他人から見えにくくなるようなポジションをとる。

(志摩子さんダメだってば!! そんな痴漢を調子づかせるような行動とっちゃあ…)
やきもきするだけで自分ではどうすることもできず、乃梨子は見守るしかない。

やはり志摩子さんの態度に「いける」と感じたのだろうか。
痴漢の行動はますます大胆になりはじめた。志摩子さんの太股に自分の股間を押し付けるようにしながら
膝と手を器用に使ってスカートを腰までまくりあげる。もう志摩子さんの肌と男の手の間にあるものは、
薄いショーツ一枚きりだ。さするように、あるいはこねまわすように、やわやわとお尻をなでまわす男。
経験のない乃梨子が見ても、ものすごいいやらしさ、卑猥さを感じさせる動きだった。
しかもお尻全体をなでまわしながらも、徐々にその手は股間へと近づいていく。

志摩子さんはうっすらと目を開け、唇を噛みながらも、アゴが上がるのと頬の紅潮は
抑えることができないでいるようだった。

そして男の手がついに志摩子さんのあの場所に到達し、ショーツのうえから撫でた時。

……クチュ……

確かにそんな音がした。
(志摩子さん…?)

まさか。そう戸惑っている乃梨子を尻目に、男の手が何か確信を得たかのように
志摩子さんのショーツの中に入り込み、彼女の秘所をまさぐる。

……チュ…クチュ……
「ふ…あくっ…ふ…あ…」

(また、聞こえた。しかも今度は志摩子さんの喘ぎ声つきで。喘ぎ声、だよね…)

声が漏れたことに気付き、あわてて咳払いをするかのようにごまかす志摩子さん。
しかし男の手はとまらず、ますます容赦なく責め立てるように動く。

「くふ……ひっく……っく……」
志摩子さんは懸命に抑えているが、もう乃梨子にははっきりと聞こえていた。声と水音と同時に。
(志摩子さん…志摩子さんって、そうなんだ……見ず知らずの男の人に触られて、
感じちゃうような人なんだ……)
乃梨子の中で暗い何かが鎌首をもたげる。

男の手が更に奥に潜り込む。そして、何かをギュとつまみながら指先でこするような動きになる。
「あ……ああっく…ぁあ!」
他の乗客が不審に思わないギリギリ程度の声が響いた。志摩子さんは小刻みに震えながら細く涙を
流し、うな垂れている。いつかみた白い綺麗なうなじがが見える。
しかし乃梨子はうなじよりも、膝まで伝って大量に流れ出したお姉さまの愛液に
釘付けになっていた……。
(志摩子さん、イッちゃったんだ…。見知らぬ男の人に触られて、イッちゃったんだ……)

そろそろ降りなければいけない駅につこうとしている。
男も停車が近いことを知っているためか、満足したためか、もう志摩子さんには手を出していない。
何かを思い出したようにハッとして志摩子さんは乃梨子のほうに視線を向け、一分始終を
悟った乃梨子の暗い瞳を見ると、潤んだ目に懇願するような表情を浮かべた。

乃梨子のなかで鎌首をもたげていた暗い何かが、完全に起きあがった。


電車のドアが開く。
(わたしも、志摩子さんを、志摩子さんを……)
(わたしの、志摩子さんを……あんな風にしたい。したい。したい…!!)
志摩子さんの腕をとって引っ張るようにして早歩きに改札を抜け、駅の構外にある
あまり人が来ないトイレの個室に連れこむ。バタン!と思いっきりドアを閉め、鍵をかける。

(口を開かせないと)
「ロサ・ギガンティアともあろうお方が…。あんな見ず知らずの痴漢に襲われて…はしたないです!」
「乃梨子……違うの……あれはぁんむッ!!」
(よし、開いた)
志摩子さんが何か言おうとした瞬間、問答無用で唇を塞ぐ。キスなんてしたことないし、やり方も
わからないけど、ただがむしゃらに舌を入れて絡ませて吸って志摩子さんの口内を蹂躙する。

「あ…ぷぁ……んむ…はぁ……んんぅく…ダメ…の…りこ…」
逃げようとする志摩子さんの肩を左手でかき抱き、逸らそうとする顔を後頭部にまわした右手で
抑えつける。そうしてしっかり固定して、抵抗がやむまで唇をついばみ歯の表面を舌でなぞる。
(志摩子さんの歯……ツルツルだぁ……)
よくわからない感動を覚えながら、志摩子さんの抵抗が弱くなってきたことを確認した乃梨子は今度は
貯めた大量の唾液を流し込む。口の端から垂れても気にしない。どんどん流し込む。

十分流し終わったところで少し唇を離し、「志摩子さん……飲んでね……」と耳元で囁いた。
そのまま耳を口で愛撫しながら、志摩子さんの様子を観察する。

白くてすべすべで肌理の細かい肌。長い睫毛。柔らかい髪の毛。整った眉。通った鼻筋。
伏し目勝ちの潤んだ瞳。ふっくらとした唇。流し込まれた唾液を貯めているせいで少し膨らんだ頬。
かなり紅潮している。全身も小刻みにふるふると震えている。まるで小動物のように。
乃梨子が耳を舌でなぞりながら、じっと観察していると、やがて観念したかのように志摩子さんは
ぎゅっと目を瞑った。

「んん……んくんくんく……ぷは」
こくこくこく、と小さく白い喉を鳴らし、うっすらと目を開ける。

(志摩子さんが、飲んでる……。私の唾液を、飲んでる……!!)
これでいいの…? と問いかけるかのように、志摩子さんは潤んだ瞳を上目遣いに乃梨子に向けた。
そんな仕草に乃梨子の嗜虐心がさらにかきたてられる。

志摩子さんの両手首を交差させ右手でおさえ、壁に抑えつける。左手では胸やお腹を撫で回しながら、
白い喉に少し歯を立ててかぶりつく。

「ひ……いたっ……いやぁ…ぁあ……」
志摩子さんの、ちょっと本気で怖がる悲鳴が耳に心地良い。今度は歯をたてずに舌で喉を舐め回す。
熱い息をふきかけながら、唾液でいっぱいに喉を濡らす。

「ねぇ……志摩子さん……。私の唾液、どんな味がした……?」
そんなことを聞いてみる。
「………………」
志摩子さんは答えない。
「黙ってると、こうだよ……」
今度はきつめに、喉に歯を立てる。しかし舌はあくまで優しく熱く、歯で掴み出した肉をねぶる。

「あ゛あ゛あ゛……!!」
志摩子さんが声をだすと、喉の震えが口内に伝わってきた。早鐘のような脈拍も。
「甘かったよ、甘かったよ、乃梨子の……。すごく……もっとんんんむぅんッ」

全部言い終わる前に喉から口を離し、再度志摩子さんの唇を奪う。再度唾液を流し込む。
「んんーーッ!!んッんッんッ」
また喉を鳴らして飲んでくれているのを聞き、恍惚としながら右手でスカートをまくりあげ、有無を言わせず一気にショーツの中に手をいれて秘所をまさぐる。
(すご……溢れてる。洪水だ。べちゃべちゃ……)
(このまま一回、いかせてあげる……)
唇で唇を吸ってついばんで。
舌で口内を舐めまわしてねぶって犯して。
背中にまわした左手で胸を ひきよせてこすりあわせて。
右手の指でクリトリスをつまんでいじって……弾く。

「ああ…んむ、んう、ふは、あはぁ…んんむーーッ!」
志摩子さんの体がガクガクと震え、右手がふやけるほどの熱い愛液が流れ出し、唾液が粘性を帯び
うつろな目が大きく見開かれ…全身から筋肉が無くなったかのようにぐったりする。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……んんっく、はぁ、はぁ、はぁ……」

乃梨子も軽く体を振るわせながら、唇を離した。
志摩子さんはとろんとした瞳とふやけた唇とを半開きにしながら乃梨子の腕によりかかっている。
「志摩子さん、イッちゃったんだね……。すごくかわいいよ」
「のりこ、のりこぉ……ごめんね、ごめんね」

うわごとのように呟く志摩子さんを更に愛しく思った乃梨子は、舌で彼女の涙を掬いとってやる。
口の端から垂れている唾液も丁寧になめとる。
「顔以外のところも綺麗にしてあげる……。志摩子さん、そこに手をついて」
そういって男性が後背位をする時のような、お尻を突き出した姿勢をとらせる。
イッたばかりの志摩子さんは朦朧としているのか、乃梨子のなすがままだ。

スカートを腰までめくりあげて、ショーツをずらす。
「志摩子さん、綺麗だよ……」
「でも、あんな男に触られて気持ち悪いだろうから、もっと綺麗にしてあげる」
ピンクに開いてまだ愛液を垂れ流している秘所には触らず、お尻全体を舌でなめまわす。
すべすべで白桃のよう。一分の隙も生まれることがないよう、丁寧に丁寧に全体を舐めていく。

「可哀想に……あんな男に触られて……。綺麗にしてあげるからね、私の舌で綺麗にしてあげるからね」
「志摩子さん、志摩子さん、私の志摩子さん……」
なめるたびに志摩子さんはふるふると体を微妙に揺らし、小さく声をあげる。
愛液で濡れたふとももも、恥丘も、ごく上品にしか生えていない柔らかい下の毛も、器用に顔を
動かしながらなめとる。そうやって殆どの場所をなめて清め、最後に秘所に舌を伸ばし、突っつく。

「ふあ…ああんッ」
志摩子さんの声が一際大きくなる。
「ここ?志摩子さん、ここも触られちゃったの?」
舌を離し、息を吹きかけながらわかりきっていることを聞いた。
「んん……やめないで……。あのね、そこも、さわられちゃったの……。だから、きれいにして……?」
もじもじと股を擦り合わせるようにしながらおねだりしてくる。

「わかった」
そういって、わざと周囲だけを舐める。
「……あのね、ちがうの。そこだけど、そこじゃないの。さっきの、さっきのところ……」
「私バカだから、ちゃんと言ってくれないとわからないよ」 そういってまた周囲だけを舐める。
「……んんっ、ひくっ…おねがい、意地悪しないで…はぁ…ああぁ」
「……」無視する。
「……あぁ、んッ……のり、こ…のりこぉぉ……のりこ、のりこ、のりこぉ……おねがい、おねがいだからッ」

(まあ、いっか。可愛いすぎるし)
そう一人ごちて、乃梨子は志摩子さんの秘所とクリトリスにも舌を這わせ、愛液を喉をならして飲む。
「ああッ!!それ…!!それいいよお……かんじ、る、かんじる、のりこ、すき、すき…ッ!!」
志摩子さんの声がさらに大きくなった。

愛液がどんどん流れてきて、飲みきれずにこぼれるけどそれでも精一杯吸う。
「志摩子さん、ちょっと量多すぎだよ。どこかおかしいんじゃないの?」
「いや、いや、言わないで……ああッああッ…んふぁああッ!」
意地悪をいうと更に溢れてくる。

(志摩子さんってやっぱりそういう人なんだ)でも嫌悪感はわかない。
たまらなく愛おしく思いながらさらに激しく舐め、舌をわずかに挿入するのとクリトリスを舐めるのを
交互に繰り返す。徐々に志摩子さんが上り詰めていく様子がわかった。

「ああ…だめ、だめ…また…また……ッ!」
「イッっちゃうんでしょ?志摩子さん、イッちゃうんでしょ?いいよ、イッて……。わたしの舌で、
またイッて……!!」
熱い息をふきかけながら、指でクリトリスをつまんでこすりながら、舌でさっき見つけておいた
膣内のざらっとした部分をなめあげる。

「あ、あ、あ、あ、あぅッ…く、あああああ、アアあッぁぁぁッ!!」
さっき唇を塞がれてうまく声を出せなかった反動か、大きな声をあげながら脚をガクガクと揺らす志摩子さん。
乃梨子の顔に吹き出した愛液がかかる。
(志摩子さんの、熱い……)
もう出てこなくなるまで必死になめとると、顔をあげる。
肌を桜色に染めて荒い息を吐いている志摩子さんを、乃梨子は満足げに見た。

……。
……。
……。

志摩子さんが落ちつくまで数分。同時に乃梨子が普段の乃梨子に戻るまでの時間。
乃梨子は備え付けのトイレットペーパーで志摩子さんの体を優しくふき、着衣を整えてあげていた。

(私、なんてことしちゃったんだろ……。自分のお姉さまに。なにより女同士なのに……)
ちょっと青くなりながらも、悩んだって仕方ないか、と結論を出し
「志摩子さん……そろそろ、帰ろっか」と多少ぎこちなく提案する。
「ええ……。でも、乃梨子」
「? どうしたの?」
「まだ、あなたは気持ちよくなってないでしょ?」
「へ?!」
やばい。志摩子さんの目はまだどこかとろんとしたままだ。

「私ばっかり、悪いわ……。それに、ずるい。私も乃梨子がかわいくなるところを見たい」
そういって志摩子さんは乃梨子の唇に自分の唇を重ねた。それだけでなく、乃梨子がやったように唾液を
流し込んできた。乃梨子は目を白黒させながらも取り敢えず飲み込んでしまう。
(うわ……。何コレ。甘い……)

「どう?どんな味がした?」
妖しくそう微笑みながら、志摩子さんは乃梨子の頬を撫でた……。
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